結論から先に申し上げると、1つの建設業者が同一業種の「特定建設業許可」と「一般建設業許可」の両方の許可を取ることはできません。
必ずどちらかを選択することになります。
では、次の場合はどうなるでしょうか。
ある建設業者で、主たる営業所(本社A)と従たる営業所(営業所B)があるとしましょう。
- ケース1.本社Aで甲と乙の2業種の特定建設業の許可申請をし、営業所Bで乙の特定建設業と丙の一般建設業の2業種の許可申請をしたときに認められるか?
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認められます。
甲と乙は特定建設業の許可申請、丙は一般建設業の許可申請であるので、同一業種で「特定」と「一般」の両方の申請になっていないからです。ただし、人に関して次の条件を満たしている必要があります。
- 甲、乙、丙の業種のすべての業務について、本社Aにいる経営業務の管理責任者等が、管理責任者たる役割を担っていなければなりません。
- 本社Aに甲と乙に係る「特定営業所技術者」がいること、営業所Bに乙に係る「特定営業所技術者」と丙に係る「営業所技術者」がいることが必要です。
- ケース2.本社Aで甲と乙の2業種の特定建設業の許可申請をし、営業所Bで乙と丙の2業種の一般建設業の許可申請をしたときに認められるか?
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認められません。
乙が、同一業種で「特定」と「一般」の両方の申請になっているからです。では、どうすれば認められるようになるかですが、ポイントは、特定営業所技術者になれる1級の国家資格等を持っている者を常勤かつ専任で配置ができるかどうかです。
例えばこのケースにおいて、本社Aには乙に係る1級の国家資格等を持っている特定営業所技術者が専任で常勤しているが、営業所Bには乙にかかる2級の資格国家資格者しか専任で置けない場合は、次のようにする必要があります。- 本社Aは甲と乙の2業種の特定建設業の許可申請をし、営業所Bで丙のみ一般建設業の許可申請をする。
乙の契約行為など建設業法上の営業所としての行為は、本社Aが行う。 - 本社Aは甲の特定建設業と乙の一般建設業の許可申請をし、営業所Bでは乙と丙の2業種の一般建設業の許可申請をする。
- 本社Aは甲と乙の2業種の特定建設業の許可申請をし、営業所Bで丙のみ一般建設業の許可申請をする。