行政書士として日々さまざまな法人設立のご相談をいただいておりますが、今回は【特定非営利活動法人(NPO法人)の設立】について、「初めての方でもわかる」ようにステップ形式でわかりやすくご紹介します。
「社会貢献をしたい」「地域の課題を解決したい」といった思いをカタチにするのが、NPO法人です。
ただし、設立には法律や行政手続きの知識が必要な場面がありますが、この記事を読めば、全体の流れがしっかりつかめますよ!
NPO法人設立までの8ステップ
これから説明します、ステップは大きく分けて次の8つになります。
ステップ① 目的・活動内容の明確にする
↓
ステップ② 設立メンバーを集める(社員10人以上など)
↓
ステップ③ 定款の作成(ルール作り)
↓
ステップ④ 設立総会の開催
↓
ステップ⑤ 所轄庁に設立認証申請をする
↓(1か月の公告期間)
ステップ⑥ 認証の取得
↓(2週間以内)
ステップ⑦ 法務局で設立登記をする
↓
ステップ⑧ 各機関への設立届出
それでは、各ステップについて説明していきます。
ステップ①:目的と活動内容を明確にする
まず最初に、「なぜNPO法人をつくりたいのか」「どんな社会課題を解決したいのか」を明確にします。NPO法人は、営利を目的としない「特定非営利活動法人」です。
具体的な活動内容が、NPO法に定められた次の20の活動分野のどれかに該当している必要があります。
- 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
- 社会教育の推進を図る活動
- まちづくりの推進を図る活動
- 観光の振興を図る活動
- 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
- 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
- 環境の保全を図る活動
- 災害救援活動
- 地域安全活動
- 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
- 国際協力の活動
- 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
- 子どもの健全育成を図る活動
- 情報化社会の発展を図る活動
- 科学技術の振興を図る活動
- 経済活動の活性化を図る活動
- 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
- 消費者の保護を図る活動
- 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
- 前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動
ステップ②:設立メンバーを集める
NPO法人を設立するには、最低でも以下の人が必要です。
- 社員(正会員):10人以上
- 理事:3人以上
- 監事:1人以上
社員と理事・監事は重複可能ですが、基本的に一定数の賛同者を集めることが求められます。
ステップ③:定款の作成(ルール作り)
NPO法人の“ルールブック”とも言える「定款」を作成します。
定款には、以下のような内容を記載します。
- 名称
- 目的
- 活動の種類
- 主たる事務所の所在地
- 会員に関する規定
- 役員に関する規定
- 会計に関する規定 など
作成後、社員総会で承認を受ける必要があります。
ステップ④:設立総会の開催
設立に賛同する社員を集めて「設立総会」を開きます。
ここで以下のことを決議します。
- 定款の承認
- 役員の選任
- 設立趣旨書・設立申請書類の確認
議事録を作成し、役員の就任承諾書や名簿などの書類をそろえていきます。
ステップ⑤:所轄庁へ設立認証申請をする
活動の拠点(主たる事務所の所在地)を管轄する都道府県または政令指定都市の所轄庁に、設立認証申請を行います。
このとき提出する主な書類は:
- 設立認証申請書
- 定款
- 設立趣旨書
- 設立総会議事録
- 役員名簿・就任承諾書
- 10人以上の社員名簿 など
ステップ⑥:認証の取得
所轄庁で申請が受理されると、1ヶ月間の公告期間が設けられます。
この間、異議申し立てがなければ「認証」が下ります。
ステップ⑦:法務局で設立登記をする
認証を受けたら、2週間以内に主たる事務所を管轄する法務局で登記申請をします。
ここで法人格が付与され、正式にNPO法人が成立します!
ステップ⑧:設立届出を行う(税務署など)
設立後は、以下の機関に対して設立届出が必要です。
- 税務署(法人設立届出書、青色申告の届出など)
- 都道府県・市町村(法人住民税など)
- 年金事務所(役員・従業員がいる場合)
まとめ:設立には準備と正確な手続きが重要!
NPO法人の設立は、思いを実現するための第一歩です。しかし、書類の作成や行政への対応は複雑になることもあります。
そんなときは、行政書士などの専門家にご相談いただくことで、スムーズに設立を進めることができます。
▶ お困りの際は、お気軽にご相談ください
行政書士・技術士山本かつみ事務所では、NPO法人設立のサポートを丁寧かつスピーディーに対応しております。
無料相談も可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください!