許認可が必要な事業とは?申請先・注意点・必要資格まとめ

 ビジネスを始めるうえで欠かせない「許認可」について、どんな事業に必要で、どの役所に申請するのか、また注意点や必要資格を解説します。

これから起業される方、事業拡大を目指す方は、ぜひご一読ください。

目次

許認可とは?

 許認可とは、法律上、一定の行為を行うには行政機関の許可や認可、届出などが必要な制度の総称です。

  法令に基づいて行政機関に申請し、許認可を取ることによって、事業等を行うことができるようになります。

  • 許可:原則禁止されている行為に対して、条件を満たした場合に例外的に許される(例:風俗営業許可)
  • 認可:一定の行為が有効になるために必要(例:学校法人の設立認可)
  • 届出:事前報告で始められるが、内容に不備があると後日行政指導(例:飲食店営業届出)
  • 免許:一定の資格を持つ方が業務を行えることを認めてもらう手続き(例:宅建業)
  • 登録:行政機関に必要書類を提出し、公簿に登録されることで事業を行える手続(例:旅行業登録)

許認可が必要な主な事業と申請先・資格

 以下に、代表的な業種をカテゴリ別に分けてご紹介します。

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業種許認可名主な申請先(※1)必要資格・要件(※2)
飲食業飲食店営業許可保健所(市区町村)食品衛生責任者の設置、施設基準あり
建設業建設業許可都道府県 or 国土交通省経営業務管理責任者等、(特定)営業所技術者など
介護事業指定居宅サービス事業者都道府県管理者・人員・設備基準あり
風俗営業風俗営業許可(1号〜8号)警察署(公安委員会)営業時間・場所・構造規制、欠格事由に該当しないこと
古物商古物商許可警察署(公安委員会)事業所要件、欠格事由なし、営業所設置
旅行業旅行業登録(第1〜3種)観光庁・都道府県旅行業務取扱管理者の配置
人材派遣業労働者派遣事業許可厚生労働省資本金2000万円〜、事務所要件、派遣元責任者講習など
宅建業宅地建物取引業免許都道府県 or 国土交通省専任の宅地建物取引士配置、資産要件
理美容業理容所・美容所開設届保健所(市区町村)有資格者(理容師・美容師)在籍、施設基準あり
有料職業紹介業有料職業紹介事業許可厚生労働省資本金500万円以上、専任職員、事務所要件

※1 申請先は、事業の規模や所在地により異なる場合があります。

※2 それぞれの許認可では、「人的要件(資格・経験)」「物的要件(事務所・設備)」「財産的要件(資本金・純資産)」「法的要件(欠格事由)」の4つのカテゴリで審査されるのが一般的です。

許認可申請の注意点

許可前に営業を始めてはならない

 原則として、許可証・認可通知が交付されるまでは営業してはいけません

 無許可営業は行政処分や刑事罰の対象になることも。

要件は複合的かつ厳格

 例えば建設業では、「経営業務の管理責任者等の設置」「適正な社会保険の加入」「(特定)営業所技術者の配置」「誠実性」「財産的基盤の確保」「欠格要件に非該当」の全ての要件を満たしていることが必要です。

 一部でも欠けると申請は却下されます

施設・設備に関する基準あり

 飲食店や理美容業では、シンクの数や換気設備など物理的な施設要件が細かく定められています

 工事前に相談することが重要です。

事前相談が有効

 行政機関によっては事前相談窓口が設けられており、提出書類の書き方や要件適合性を確認できます。

 また、行政書士に相談することでもスムーズになります。

更新・変更・廃止にも届出義務がある

 許認可は、取得後も維持管理が必要です。

 変更届、更新手続き、事業廃止届を怠ると罰則を受ける場合があります。

行政書士は許認可申請の専門家です

 行政書士は、法定独占業務として官公署への許認可申請代行や書類作成を行っています。

 複雑な法的要件をクリアし、最短で営業開始できるようサポートします。

 たとえば以下のようなご相談に対応しています:

  • 許可が必要かどうか
  • 必要書類の一覧作成
  • 役員や事業所の欠格事由チェック
  • 官公署との事前調整、本人出頭義務など必要な場合は同行
  • 変更・更新時の手続きフォロー

まとめ:事業スタートの第一歩は「許認可の確認」から

 どんなに立派な事業計画でも、許認可を怠れば事業は始められません。逆に、正しく許認可を取得しておけば、融資や信用面でも大きなプラスとなります。

 行政書士・技術士山本かつみ事務所では、各種許認可の無料相談も受け付けております。
 「この事業に許可がいるのか?」「自分でできるのか?」といった素朴な疑問でも、お気軽にご相談ください。

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