一般建設業の許可を受けるには、次の5つの「許可要件」を全て満たすことと、2つの「欠格要件」のいずれにも該当しないことが必要です。
これは、国土交通大臣の許可でも都道府県知事の許可でも同じです。
許可要件
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1. | 建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有する者であること。 |
建設業の経営は、他の産業とは異なる特徴があるので、適正な建設業の経営を継続的・安定的に行うには、建設業の経営業務をした経験者が最低でも1人いるか、若しくは、建設業の経営業務の管理を適正に行うための体制になっていることが必要です。 具体的にどのような内容の要件かは、【経営業務の管理責任者等になるには?】で詳しく説明していますので、そちらを参照して下さい。 | |
2. | 適正な社会保険(健康保険・厚生年金保険・雇用保険)に加入している者であること。 |
法令で加入が義務づけられている保険に加入していることが、適正な経営を行うことができる者の必要要件となっています。 法人は、社会保険の適用事業所になるので加入しなければならず、正社員(通常の雇用者)は当然に加入となります。 1週間の労働時間及び1ヶ月の労働日数が正社員の3/4以上あるパート等(被保険者の総数が常時50人を超える場合は、適用対象が広がりますので注意。)も加入しなければなりません。 個人事業は、従業員が5人以上いる場合は適用事業所となり、法人と同様です。従業員が4人以下の場合でも、雇用保険には加入しなければなりません。 ただし、個人事業主本人は社会保険に加入することはできず、国民健康保険、国民年金に加入する必要があります。 | |
3. | 営業所ごとに「営業所技術者」を置く者であること。 |
建設工事の請負契約を適正に締結・履行するためには、建設工事に関する専門知識を持った技術者が必要であるとされており、すべての営業所ごとに許可を受けようとする建設業に関する資格や経験を有する技術者を選任で配置する必要があります。 営業所技術者の資格要件は、次のいずれかに該当する者です。 1.高校の指定学科を卒業後5年以上の実務経験者または大学の指定学科を卒業後3年以上の実務経験者 2.学歴、資格を問わず10年以上の実務経験者 3.1、2と同等かそれ以上の知識・技術・技能を有すると認められた次の者 指定の資格(実務経験を要しないものに限る)を有する者、または、指定の資格(実務経験を要するもの)+所定の実務経験を有する者 国土交通大臣が個別の申請に基づいて認めた者 | |
4. | 請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと。 |
建設工事は契約から完成までの期間が長く、また契約額も高額となることから、建設業者の信用が取引の前提であることから誠実性が求められます。 具体的には、法人の場合と個人事業の場合における以下の者が、 法人の場合は、当該法人、役員等(取締役、業務を執行する社員、執行役、法人格を有する組合等の理事等)、相談役・顧問等(役員等と同等の支配力を有するものと認められる者)、支配人、営業所の代表者 個人事業の場合は、個人事業主、支配人、営業所の代表者 次のような者に該当しないことです。 請負契約の締結又は履行の際における詐欺、脅迫、横領等法律に違反する行為(不正な行為)又は、工事内容、工期、天災等不可抗力による損害の負担等について請負契約に違反する行為(不誠実な行為)を行った事実がある者 建築士法、宅地建物取引業法等の規定により不正又は不誠実な行為を行ったことをもって免許等の取消処分を受け、その最終処分から5年を経過しない者 暴力団の構成員である場合又は暴力団による実質的な経営上の支配を受けている場合 など | |
5. | 財産的基礎又は金銭的信用があること。 |
建設業の請負契約を履行するに足りる最低限度の経済的水準が求められます。 請負契約を履行するに足りる財産的基礎または金銭的信用を有しないことが明らかでないことが必要とされています。 具体的には、次のいずれかに該当すればよいということになっています。 直前の決算における貸借対照表の「純資産総額」が500万円以上あること 500万円以上の資金調達能力があること 直前5年間許可を受けて継続して営業した実績があり、かつ、現在許可を有していること |
欠格要件
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1. | 許可申請書又はその添付書類中に重要な事項について、虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けている場合 |
2. | 法人の場合と個人事業の場合における以下の者が、 法人の場合は、役員等(取締役、業務を執行する社員、執行役、法人格を有する組合等の理事等)、支配人、営業所の代表者 個人事業の場合は、個人事業主、支配人、営業所の代表者 次の法第8条各号のいずれかに該当する場合 ① 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者 ② 不正の手段等によって受けた一般建設業の許可又は特定建設業の許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者 ③ 一般建設業の許可又は特定建設業の許可の取消しを逃れるため、聴聞の通知を受け取った後に廃業の届出をした者で、当該届出の日から5年を経過しない者 ④ ③の廃業の届出があった場合において、聴聞の通知の日前60日以内に法人の役員等、一定の使用人であった者又は個人の一定の使用人であった者で、当該届出の日から5年を経過しないもの ⑤ 法第28条第3項又は第5項の規定により営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者 ⑥ 許可を受けようとする建設業について法第29条の4の規定により営業を禁止され、その禁止の期間が経過しない者 ⑦ 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり5年を経過しない者、又は刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者 ⑧ 建設業法、建築基準法、労働基準法等の建設工事に関する法令のうち政令で定めるもの、もしくは暴力団等による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、または刑法の一定の罪もしくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したことにより、罰金以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者 ⑨ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(以下「暴力団員等」という。) ⑩ 心身の故障により建設業を適正に営むことができない者 ⑪ 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が①から⑩まで又は⑫(法人でその役員等のうちに①から④まで又は⑥から⑩までのいずれかに該当する者のあるものに係る部分に限る。)のいずれかに該当するもの ⑫ 法人でその役員等又は一定の使用人のうちに、①から④まで又は⑥から⑩までのいずれかに該当する者(②に該当する者についてはその者が法第29条第1項の規定により許可を取り消される以前から、③又は④に該当する者についてはその者が法第12条第5号に該当する旨の同条の規定による届出がされる以前から、⑥に該当する者についてはその者が法第29条の4の規定により営業を禁止される以前から、建設業者である当該法人の役員等又は一定の使用人であった者を除く。)のあるもの ⑬ 個人で一定の使用人のうちに、①から④まで又は⑥から⑩までのいずれかに該当する者(②に該当する者についてはその者が法第29条の規定により許可を取り消される以前から、③又は④に該当する者についてはその者が法第12条第5号に該当する旨の同条の規定による届出がされる以前から、⑥に該当する者についてはその者が法第29条の4の規定により営業を禁止される以前から、建設業者である当該個人の一定の使用人であった者を除く。)のあるもの ⑭ 暴力団員等がその事業活動を支配する者 |